ぜんちゃんの交通日記

「ぜんちゃんの交通日記」とは、星の子ポロンと同じく時報映画社製作の交通安全教育映画である。

※本記事内では特筆がない限りはすべて時報映画作品研究会で上映されたものを情報源とする。

あらすじ

  • こうちゃんは遊園地から低学年を追いかけて追い出して野球をしている上級生に抗議して負けるが、委員会にかけて野球禁止にする。左側通行がなぜ悪いかとくってかかる婆さんが、学校の交通教室で、自分の悪い事を知り警察官にあやまる。サイクリングをしながら、お父さんが広大に安全通行を実地に教える。
    (出典 : 教育機器・教材総合目録 昭和49年版)
  • 左側通行がなぜ悪いかとくってかかる婆さんが、学校の交通教室で自分の悪い事を知り警察官にあやまる。サイクリングをしながら、お父さんが兄弟に安全通行を実地に教える。
    (出典 : 教育機器・教材総合目録 昭和56年版)
  • 人形の全ちゃんが交通のルールを学んでいくドラマ。
    (出典 : 神奈川県立図書 視聴覚教育資料目録 1974 16ミリ映画)

作品情報

  • 16ミリフィルム 3巻330
  • イーストマンカラー
  • 1962年10月30日完成
(以上出典 : 映画年鑑 1964年版)
  • 上映時間:25分
  • 定価:95,000円
  • 配給:映研
  • 文部省選定
(以上出典 : 教育機器・教材総合目録 昭和49年版)
(以上出典 : 神奈川県立図書 視聴覚教育資料目録 1974 16ミリ映画)

全台詞

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使用楽曲

所見(特徴・ツッコミ等)

1962年、半世紀以上昔に製作された『ぜんちゃんの交通日記』。
ゼンちゃんツーちゃん(16ミリフィルム版)』『ツーちゃんといっしょにみよう!』とは異なり、本作は全編が実写で製作されており、上映時間も長めとなっている。

操り人形の男の子『ぜんちゃん』の視点から、こうちゃん一家をはじめ地域住民の交通安全に対する意識を日常ドラマチックに描いている。

ぜんちゃんの他にも、『つうちゃん』という少女も登場するが、いずれも『ゼンちゃんツーちゃん』とは無関係。後の『ゼンツー』製作にあたり、2人のネーミングが晴れて採用・後継されたというプロセスならありえなくもなさそうだが…こうちゃん涙目

『ゼンツー』とは異なりサブタイトルや明確な区切りは存在しないものの、概ね3つの物語に大別する事が可能である。(上記にある『教育機器・教材総合目録 昭和49年版』出典のあらすじにおいても同様に3セクションに分かれたオムニバス形式として扱われている)。

1つ目は、遊び場を取り合うこうちゃん達と上級生達の抗争を題材にしつつ、子供が道路上で遊ぶ事の危険性にスポットを当てている。
下級生を公園から追い出した事を上級生のボスである春夫くんに抗議するこうちゃんだったが、聞き入れてもらえるどころか逆上した相手と取っ組み合いに終わってしまう。
こうちゃんが委員長を務める交通議会にてもこの問題は取り上げられ、クラスメート達の協力もあって公園を野球禁止にする動きを見せるが、新しい遊び場を見つけた春夫くんらが譲歩するという形で、双方は無事和解する。
こうちゃんが軽症を負う程の大喧嘩のシーンまで挿入されていた割に、なかなか唐突なハッピーエンドである。まあ、ポロンじゃあるまいし理不尽展開ばかり期待しても仕方がないのだが

2つ目は、知る人ぞ知る(?)あの「左側通行がなぜ悪いかとくってかかる婆さん」登場パートである。
道路を左側(真ん中?)通行していたために自動車と衝突事故を起こしかけてしまう婆さん。彼女は長い間の習慣も手伝って、右側通行より左側通行が正しいと思い込んでいたようだ。
台詞からしてかなり気難しい頑固者なイメージの強い婆さん。親切に窘めるお巡りさんとも凄まじい押し問答を展開している。
しかし、後日学校で行われた交通指導会に、婆さんは密かに参加していた。断固譲らない姿勢を見せていた彼女だったが、実は自分の通行が間違っていた事への理解を深めようとしていたのだ。
ここでは指導会で積極的に指導員へ質問をしていたつうちゃんへの評価もきちんとフォローがなされており、人情味溢れるヒューマンドラマとしての側面が終始強く表れている。

3つ目は、こうちゃん一家が松島へサイクリングに出かけるストーリー。
ぜんちゃんに「安全一家」と称されるほど交通ルールへの理解が深い家族達の模範的なレジャーの過ごし方を松島周辺の美しい風景に乗せて描いている。
ここで悪い見本を見せてしまうのは、名も無き男性ドライバー。スピード競争をしていた所を警官に止められてしまうのであった。

児童向け交通教育フィルムのオーパーツ的存在にして、実験的演出・手法が多く散見される。
尺の長さにも助けられているのか、教訓の一つひとつが視聴者からの理解を得やすいよう丁寧に伝えられている。また、登場人物同士のどこか人間味溢れる掛け合いは、一つの道徳ドラマという観点においても及第であると言えよう。

テレビアニメの『星の子ポロン』や『ガンとゴン』を含め、現在全容が明らかとなっている時報作品の多くはキャストやスタッフがクレジットされないケースが多かったものの、本作では主要キャスト・スタッフがオープニングにて表示されている。

操り人形キャラのぜんちゃんの声を担当したとされる「堀絢」だが、研究会参加者勢の間では「声質が堀絢子氏に似ている」「堀絢=堀絢子では?」と考察されている。なお、実際に堀氏が「堀絢」名義で活動していた時期が存在したのか、はたまた単なる表記ミスかは不明。

本作で、こうちゃんの父親役としてクレジットされている原孝之氏だが、彼の声が『星の子ポロン』に出演している男性声優のものと酷似しているとの意見が研究会勢より多く挙がっている(特にいいんです代の声質に近い)。
この事から、『ポロン』にレギュラー出演していた男声の声優は原氏ではないかという説も浮上している。

キャスト

  • ゼンちゃんの声:堀絢(堀絢子?)
  • ツウちゃん:山田和枝
  • コウちゃん:平塚文雄
  • おかあさん:三浦梨花
  • おとうさん:原孝之
  • ケンちゃん:島崎仁
  • おばぁちゃん:池田よしえ
  • 春夫くん:須藤秀俊
  • 弘二くん:湯本敬
  • 久一くん:北見浩二
  • 葉子さん:百合川早苗
  • 部長さん:長谷部朋香

スタッフ

  • 脚本:片岡薫
  • 撮影:清水良浩
  • 照明:高橋壹雄
  • 音楽:山下毅雄(アンサンブル57)
  • 監督助手:向井寛、中山淳二
  • 撮影助手:武神美之
  • 照明助手:小野田正美
  • 記録:大野亜子
  • 編集:神田布美
  • 録音:読売映画録音現像所
  • 演出:鈴木元章

  • 製作:鈴木元章
  • 監督:鈴木元章
  • 脚本:片岡薫
  • 撮影:清水良浩
  • 企画:全日本交通安全協会
(赤文字は 「映画年鑑 1964年版」出典)

  • 最終更新:2019-02-20 23:22:22

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